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ポンプ取扱注意・保全と対策

正しい使用方法がノートラブルの基本。トラブルを起こしてからでは遅すぎます。使用前のチェック、メインテナンスを怠りなく行って下さい。

潤滑給油装置の用途

あらゆる機械はそのほとんどが、回転揺動あるいは摺動する摩擦部分からなる多くの部品によって構成された集合体です。これらの摩擦部分へ自動的に潤滑油を供給し機械の性能を最良に保つ、それが潤滑給油装置です。今日、使用されている機械の代表例として工作機械・金属加工機械・成形機械・印刷機械・包装機械・紡績機械・食品機械・木工機械・搬送機械・等広く使用されています。

潤滑給油装置の用途

  • 使用する潤滑油は”「潤滑油について」ページ”を参考にして選定して下さい。
  • 灯油、ガソリン、水等の潤滑油以外の液体は使用できません。
  • オイルは清浄な新油を使用して下さい。
  • 異種オイルの混合は避けて下さい。スラッジを発生させ機械の作動不良の原因となります。
  • タンクへオイルの補給はオイルゲージの上限ライン以上入れないで下さい。
  • ポンプ、分配器は二トリルゴム、フッ素ゴム、非鉄金属(亜鉛、アルミ、黄銅) が使用されています。これらを侵したり、腐食させるオイルは使用を避けて下さい。

設置上の注意事項

  • 切削油や切粉の掛からない場所へ設置して下さい。
  • 振動の有る場所は避けて下さい。
  • オイルの補給や保守、点検しやすい場所へ設置して下さい。
  • 手動ポンプは手で操作しやすい場所へ設置して下さい。

試運転、初期運転の注意事項

  • 電源投入時にモーター端子カバー、制御装置カバーを取り外したまま作業を行わないで下さい。感電する恐れが有ります。
  • モーター回転方向の確認を必ず行って下さい。逆転のまま放置するとポンプ性能を損ないます。
  • 配管内のエアー抜きを十分に行い、末端の吐出状況を確認して下さい。
  • 配管系統のオイル漏れの無い事を確認して下さい。オイル漏れは配管回路内へエアー混入の原因となります。

保守及び点検

  • 潤滑システムを確実に機能させ、異常を早期に発見し大きなトラブルに発展させない為に、定期点検は必ず実施して下さい。
  • 点検時は電源を切ってから作業を行って下さい。点検内容により電源を入れる必要のある場合は端子カバー、制御装置カバーを取り付けてから電源を投入して下さい。

容積システム配管例

NO. 点検項目 点検内容
1 給油口フィルター 給油口フィルターはきちんとセットされて、フィルターが破れてたり、ゴミが付着していないか点検する。
2 タンク内オイル タンク内のオイルの劣化、酸化、汚れの程度を点検する。
3 タンク内の点検 タンク内にゴミ、異物、スラッジ等の有無を点検する。
4 配管継手の緩み 継手部から油漏れの無い事を点検する。
5 配管パイプ 配管パイプが割れたり、つぶれていないか確認する。
6 タンク内オイルの消費量 タンク内オイルの消費量は適切で、多すぎたり、少なすぎたりしていないか点検する。
7 ポンプの点検 潤滑ポンプの電源を入れ、圧力が設定圧まで上昇することを確認する。
8 分配器の点検 分配器からオイルが確実に吐出されている事を確認する。
  • 上記によりタンクやフィルターの洗浄やオイル交換を適宜実施する。
  • タンク、フィルターの清掃には清浄な石油を使用し、ガソリン、シンナー等の揮発性のものは使用しないで下さい。

保守及び点検

現象 原因 対策
ポンプから油が吐出されない。 回転方向が違っている。 ポンプの破損あるいは焼付きの原因になることであり、直ちに駆動源の停止と回転を逆にする。
油面が低い。
吸入管またはストレーナーが詰まっている。
現在使用しているものと同一銘柄油を追加する。キャビテーションの原因となる。ストレーナーの掃除または交換をする。循環式を採用している場合は回路系全体のフラッシングを行ない、新油と取替える。
吸入管又は吸入行程路が空気を吸っている。
ポンプのグランド部(オイルシール) またはOリングから吸気している。
タンクの規定油面の確認。接続個所のパッキングを補修するかまたは締付けを充分にする。グランドパッキング(オイルシールまたはOリング)が破損している場合は取替える。グリスを塗布するのもよい。(応急対策)
使用油の粘度が高い。
使用油の粘度が低い。
油温を上昇させて運転する。油の種類を替える。(この場合回路系全体を清掃にしてから新油を入れる)
ポンプが磨耗して吸入能力が無い。
(ピストン式の場合Oリングの破損)
磨耗個所の補修。部品の取替え、または新品と交換する。
圧力が上がらない。 リリーフバルブの作動不良。
1) 圧力の設定が不適当。
2) バルブシートに正しく当っていない。
サクションフィルターの目詰り。
圧力計を調べ正確な圧力により正しい設定に直す。チャタリングの原因。バルブかシートに磨耗や傷があれば摺合せ、または交換する。
ポンプが異常音を発生する。

1)タンク内が白濁し気泡が混入している。

白濁の原因は水の浸入が殆んどであり、200~300p.p.m.で白濁し、1000p.p.m. (0.1%)で酸化してくる。 浸水個所をなくす。空気中の水分の凝を避けるために温度差を少なくする。湿度の多いところは空気に触れる部品をできるだけ少なくする。

2)キャビテーションが発生している。(気泡が生じている)

ストレーナーの目詰り。 ストレーナーをただちに点検。目詰りのはげしい時は洗浄か交換を行う。油の汚れに注意。
油温が低すぎるか粘度が高すぎる。 使用オイルを再検討し、場合によっては交換する。

3)過負荷、衝撃負荷がかかった。

規定以上の負荷。 モーターカップを外し、手まわししながら故障個所を発見し修理する。

4)ポンプ部の破損。

ポンプ性能に不適格な使用または誤用。 購入時の計画通りにして不良の場合は各種機能を再点検する。なお不良の場合は新品と交換する。
異常発熱

1)ポンプ自体の温度が高温。(油温 + 30℃)

ポンプ自体の磨耗で容積効率が悪くなっている。摺動部の磨耗。 磨耗個所の摺合せ、または部品を交換。ポンプを新品と交換する。

2)摺動部の焼付、発熱。

油中のゴミ、その他の異物で摺動面に傷がつき焼付く。または出口側が詰まっていて超高圧になっている。ストレーナーの目詰りによるバキューム現象を起こしている。 循環方式の場合は特に油の劣化の原因の追求。タンク配管系等のフラッシングをして新油と交換する。ストレーナーの掃除、または交換する。

3)軸受部の発熱。

粘度が不適格。 油温を上げてみる。粘度の高すぎる場合は使用オイルの交換をする。

手動ポンプ取扱注意・保全と対策

  • レバー式、ハンドル式ともに、手前に引くだけで必要量のオイルが吐出します。操作を途中で止めたり、より以上の過大な力を加える必要は全くありません。また、手を離すことによって自然に戻りますので、無理に押し戻さないで下さい。
  • オイルの補給後に、レバーやハンドルを引いて、ノイズが聞こえるような場合、エアーの混入が考えられます。補給したオイルの泡立ちが静まるのを待って、レバーやハンドルを引き、ノイズが消えるまで続けて下さい。
  • 組込み式や遠隔吸入式ポンプの取付方向は、上下左右いずれにしても吐出量に変化はありませんが、吸入口は必ず下向きにして下さい。 また機械にあらかじめセットされたオイルタンクを使用の際は、異物混入防止のため、フィルターやストレーナーの設置をしてください。
現象 原因 対策
ポンプから油が吐出されない。 回転方向が違っている。 現在使用のオイル(E印の線より上にオイルがあれば正常)と同一銘柄のオイルを追加。
エアーが混入している。 吐出主管部をはずし、油がにじみ出るまでレバーを操作する。
ハンドル操作が不完全である。 ハンドルを急激に引いたり、強引に押し戻さない。
ハンドルを引いても手応えがなかったり、雑音が入る。 空気が混入している。 タンク内に油が入っているかを確認する。各給油配管の末端部をはずし、油とエアーが流れ出るまでポンプを作動させて下さい。
ハンドルの戻りが極端におそい。 フィルターの目詰り。
ポンプの働きは正常か。
フィルターをはずし清掃する。ポンプの吐出圧、吐出量が正常かを主管部に圧力計を利用して検査する。
配管のつぶれなどによる圧力異常。 配管系を検査する。
各ジョイント部の油漏れ。 ジョイントの締め不足或いは締めすぎによって、ナイロンパイプなどの先端をつぶしている。 不足の場合は適宜に締め付ける。締めすぎの場合、スリーブを取替えて配管しなおす。
給油点部の油漏れ。 ポンプ圧力の過多。 ポンプ圧を検査し、正常の場合各給油点を点検する。